イギリス基本情報

イギリスという国

mapイギリスは連合王国で、イングランド、ウエールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの自治体で構成されています。正式名称はUnited Kingdom of Great Britain and Northern Ireland、略してUKやBritainと呼ばれることが多いです。 イングリッシュといえばイングランド人を、ブリティッシュといえばイングランド以外の人も含めます。 それぞれの国で国旗も違い、ウエールズではウエールズ語が話されたり、スコットランドでは独自の通貨や国会があったりと独立心は強いです。

 

イギリスの気候

イギリス南部は北緯50度~60度という高緯度にもかかわらず比較的穏やかで温暖。冬でも雪はほとんど降りません。対してマンチェスター~スコットランドなどのイギリス中北部は1年を通して低温で冬は雪ヒョウなどが降る時もあります。夏の気温はロンドンで20~23度の日が多く、雨は小雨程度で降水量は少ない。小雨ならイギリス人は傘をささず濡れていく場合が多いです。

 

イギリスの電圧

イギリスの電圧は220-230V。(日本の電圧は100V)。パソコン類は変圧器なしに使用可。ヘアドライヤーは海外対応になっていなければ変圧器が必要なこともあります。イギリスのプラグは三又(3本足)の四角形(BFタイプ)。変圧器は必要なくてもプラグは携帯やパソコンをチャージするために絶対必要。イギリスでもブーツなどで購入可能。

 

イギリスのお金

GBPイギリスのお金の単位はポンド。EUの中ではイギリスとスイスのみユーロを使用していません。 硬貨は1ポンド(金貨)、50ペンス(銀貨)、20ペンス(銀貨)、10ペンス(銀貨)、5ペンス(銀貨)、2ペンス(銅貨)、1ペンス(銅貨)。紙幣は50ポンド、20ポンド、10ポンド、5ポンド。 ポンドのことは “パウンド” と発音されます。またペンスのことは “ピー” と省略されます。 たとえば、3ポンド50ペンスのことは、“スリーパウンドフィフティーピー” と言います。

 

日本との時差

日本との時差は夏は8時間、冬は9時間。毎年10月末と3月末に時計を1時間戻したり進めたりして、冬時間にしたり夏時間にしたりします。夏は時計を進めるので外は午後10時頃まで明るく、逆に冬は時計を戻すので4時頃には真っ暗になります。慣れていないと時差ぼけになるかもしれないので注意が必要です。またあまり大ニュースではなく週末にひっそりと変更されるので、時計が早まった(遅くなった)ことに気がつかない場合も多いです。

 

イギリスのお水

イギリスのお水はカルシウムとマグネシウムを多く含む硬水です(日本は軟水)。ケトルやシャワーヘッドによく石灰が白くこびりついています。水道水を飲んでもまったく問題ありませんが、ミネラルウオーターを買うのが一般的です。

 

イギリスの治安

銃による凶悪犯罪は少ないのですが、ギャングとよばれる青少年によるナイフでの殺傷事件が多発しています。荒れた地域をうろついたり夜遅い外出は避けるべき。都会ではすりや置き引きなどの軽犯罪も多く、特に地下鉄や観光地では注意が必要です。とはいえ普通に行動していれば不必要に心配する必要はない程度に治安は良いと言えます。 イギリスは北上するほど生活水準がおちていきそのため治安も悪くなります。また特定の移民が多く住む地域などもあります。比較的安全と言われる街でもあまり近寄らないほうが良い一角もあるので注意が必要です。

 

イギリスの食べ物

0618FnC_2[1]朝食はおもにシリアル(種類が豊富でヘルシー)にミルクか、薄いトーストにジャムやマーマレードをつけたもの。それに紅茶。昼食はほとんどの人がサンドイッチなどの軽食ですませます。夕食はポテト料理(フライドポテトかマッシュポテト)+ソーセージやチキン、野菜はグリーンピースやブロッコリー、にんじんなどで種類は少ないです。魚はフィッシュ&チップスかサーモンくらいしか食べません。 典型的なイギリス料理:ソーセージアンドマッシュ(ポテト)、コテージパイ(ひき肉とマッシュポテト)、フィッシュアンドチップス、ビーフアンドキドニーパイ、イングリッシュブレックファースト、ローストビーフとヨークシャープディング。これらはおもにパブでオーダー可能。またはテイクアウトのお店があります。

ピザやパスタなども家庭でよく夕食に出されます。その他、カレーや中華などはテイクアウトで人気があります。

食後には必ずプディングとよばれるデザートが出されます。アイスクリームやケーキ、フルーツなどですが、甘い上にクリームなどを上からかけたりするので日本人には甘すぎる味となります。

ケーキ類は日本で売られているようなフランス菓子ではなくどっしりしたカントリーケーキが主流。有名なアフタヌーンティーは、スコーンとよばれる焼き菓子、サンドイッチ、ケーキ(フランスケーキの時もあればカントリーケーキの時もある)。それに紅茶。

アフタヌーンティーよりも気軽にたのめるスコーンと紅茶のセットはクリームティーとよばれ、ほとんどのティールームで出されます。

 

イギリスの教育

義務教育は4歳の秋から始まります。4歳から7歳までの学校をインファントスクール、7歳から11歳までの学校をジュニアスクール、4歳から11歳までの学校はプライマリースクールとよばれています。学校は9時~3時頃までで、英語と算数を中心に、理科、社会、音楽、体育、などを習います。第1外国語はフランス語で7歳くらいから、11歳でシニアスクールに入るとスペイン語やドイツ語なども選択できます。ジュニアスクールまたはプライマリースクール終了後、16歳までのシニアスクールへ進学します。14歳からはGCSEという2年間コースが始まります。2年目の終わりに全教科のテストを受け試験結果がグレードで出されます。義務教育はここで終了です。その後大学へ進学したいものは6THフォーム(のあるカレッジへ)進学します。これは2年間のAレベル取得に向けたコースで、2年目の終わりにAレベルのテストを受けて、結果がグレードで出されます。その結果により各大学へ進学します。 学校には公立と私立があり、日本からの留学生は寄宿舎のついた私立学校へ入学することになります。義務教育の間は公立校は無料なのに比べ、私立校は学費と寮費をあわせて1年間に約3万ポンド(450万~500万)と非常に高額ですが、その分先生やスタッフによるきめ細かなサポートで高い水準の教育が行われています。学校の設備は日本の大学並みかそれ以上で、シアターや体育館、コンピューター、アート、化学、デザインテクノロジー、室内プールやテニスコート、広い校庭などをどこの学校もそなえています。 夏休みで寮が空いている期間を利用して、各学校ではサマースクールが開校されます。

 

イギリスの医療

イギリスにはNHSとい国が治療費を負担してくれる医療制度があり、住民になるとNHSナンバーというのがもらえます。これをもって家の近所のGPに登録に行きます。GPとはかかりつけ医のことで住んでいる地域にあるGPに登録しなければなりません。(長期留学生は学生ビザ取得時にNHS料金を前払いします。) 治療は無料ですが、薬は処方箋を書いてもらい薬局で買うシステムになっているので有料です。 GPはその場ではほとんど治療らしいことはせず、話を聞いて処方箋を書くのみの場合が多いので、日本のお医者さんがしてくれるような治療はしてくれません。 NHSとは別にプライベート保険というのも存在します。NHSで専門医にかかりたい場合は順番待ちが多く数ヶ月待つこともざらですが、プライベート保険に入っていればGPからプライベート病院に回してもらえるのでほぼ待たずに治療が受けられます。ただしプライベート病院の方がお医者さんの腕がいいということでは決してなく、単に待ち時間が少ない、設備が良い、などのメリット程度だと思っておいたほうが良いでしょう。 歯医者はNHSとプライベートに分かれます。近年歯医者へのNHS補助金が少なくなりすでにNHSでは受け付けてくれないところもあるのでプライベートだと思っていたほうが良いです。金額は日本に比べかなり高額です。 また、病院にはA&E(アクシデント&イマージェンシー)という救急外来があり、怪我をした時や緊急の場合にはGPを通さず直接訪れることも可能ですが、骨折や重病などの場合に限ります。待ち時間も長く、重病なのに廊下に放置されて何時間も待たされたという話もよく耳にします。

 

イギリスの英語

イギリス英語は日本で耳慣れているアメリカ英語とはかなり違うと思います。使われている単語が違う、アクセントや発音の仕方が違う、完了形を多様する、など。“Can” をアメリカ英語では“キャーン” と発音し、イギリス英語では “カーン” と発音するのは有名な話。 典型的イギリス英語: 1階(グラウンドフロアー)、2階(ファーストフロアー)、ごみ(ラビッシュ、米語ではガーベージ)、トイレ(トイレットまたはルー、米語はレストルーム)、地下鉄(チューブまたはアンダーグラウンド、米語ではサブウエイ)、 アパート(フラット、米語ではアパートメント) Do you have~というのは米語、Have you got~?というのが英語。 またイギリス人は相づちを打つときに “Lovely” を多様する。 How lovely! とか It’s lovely, isn’t it? など。

 

イギリスの交通事情

doubledeckerロンドン市内は地下鉄とダブルデッカーという2階建てバスが走っています。地下鉄の切符はオイスターカードというプリペイドカードを買ったほうが1区間の割引率が高いのでお得。オイスターでバスにも乗れます。購入&チャージは地下鉄の駅で可能(デポジット5ポンド必要)。オイスターの他にトラベルカード(1日乗り放題チケット)もあるので、1-2日しかロンドンにいない場合はこちらのほうがお得な場合も。 ロンドン市内はブラックキャブというタクシーが走っています。流しでも空いていれば手をあげてとめることが出来ます。料金表示がきちんとされているので安心。 ロンドンから地方へ行く場合はブリティッシュレールという電車に乗ります。チケットは往復で買ったほうが安く、時間によって値段が違ったりもします(平日のラッシュ時は高い)。 しかしながら、イギリスは車社会なので車での移動が一般的。電車やバスは本数が少なくよく止まったりダイアが乱れたりしてあてになりません。観光スポットなども車で来ることを想定しているのか駅から遠く離れた不便なところにあることが多いです。高速道路は無料。そのせいかラッシュ時にはかなり渋滞しています。

 

イギリスの家

イギリスの家はテラスハウス、セミディタッチ、ディタッチ、フラットに分けられます。テラスハウスとは長屋のことで横に何軒もずらーっと並んでいます。セミディタッチが2軒くっついている家(外観は1軒に見えるが実は入り口が左右にあり2世帯住んでいる)、ディタッチは1軒屋、フラットはアパートのことです。 家の大きさはベッド数によって表現され、3ベッドルーム+キッチン+リビングルームが典型的な大きさ。どの家にもバックヤードとよばれる裏庭がついています。家の中はセントラルヒーティングがきいているので冬でも暖く、タイマーになっているので時間になるとスイッチが自動的に入ったりきれたりします。

 

イギリスのサイズ

イギリスでは昔の測定方式が今だに使われています。小学校ではメートルやキロなども教えていますがなかなか浸透せず、一般的にはインチやフィート、マイルが使われています。イギリス人に自分の身長を “1メートル60センチ” と言ってもわかってもらえない場合が多いので注意。 1インチは約2.5センチ、1フットは約30センチ、なのであらかじめ自分の身長を計算しておくとよいでしょう。 体重はストーンとポンドで表します。1ストーンは約6.5キロ、1ポンドは約450グラムなのでこれもあらかじめ考えておくとよいです。 距離はマイルであらわします。1マイルは約1.6キロ。高速道路での “OOまで30” という表示は30キロではなく30マイルという意味です。

 

イギリスの移民事情

近年外国からの移民が増え続け 、ロンドンでは白人イギリス人がマイノリティーと化しているのではというほど外国人が多い。戦後の旧植民地からの移民(インド、パキスタン、ジャマイカ、アフリカ諸国)に加え、この数年はEUに加盟したことで自由に移民できるようになった旧東欧諸国(ポーランドやルーマニアなど)からの出稼ぎ移民が100万人単位で押し寄せています。このため英政府はこれら以外の国からの入国を制限したい意向で、空港の入国検査は非常に厳しくなってしまいました。留学生も締め出す傾向にありビザ取得が困難となっています。観光客は入国目的や滞在場所を厳しく聞かれます。長期で滞在予定のかたは、入国のためのきちんとした書類を用意したほうが良いでしょう。

 

イギリス人の気質

他のヨーロッパ人に比べ非常に穏やかで接しやすい。目があうとニコッと笑ってくれたり困っているとさっと助けてくれたり、やさしく親切な印象を与えます。また非常に忍耐強く待たされてもあまり文句を言うことはありません。特に公共の場所では声を荒げて文句を言うことは恥とされています。自虐的なギャグやブラックユーモアも得意。 事務処理などの能力は乏しくまたチームプレーも苦手。何事も時間が解決すると思っているところもあり、短時間に白黒つけたがる日本人からみるとアバウトで鷹揚に見えることも。また “終わりよければ全てよし” という面もあり、過程を大切にする日本人とはかなり違うところもあります。

 

イギリスの物価

世界の大都市の中でもイギリス特にロンドンとその周辺の物価は高いほうです。ホテル代や家賃や家の値段は東京とほぼ同額かそれ以上で、特に交通費(電車代)と外食費は日本よりも高いです。 イギリスは日本のように物があふれている状態ではないため、買い物をする時にも選択肢があまりありません。そのため高額で売られていても買ってしまうことも。またサービスがいまひとつのため、日本と同じ金額を払っても割高に感じてしまうこともあります。 外食をひかえるためイギリス人はどこへ行くにもサンドイッチなどを持参します。また交通費も高いので、ロンドンならオイスターカード、BRなら割引カード(スチューデントカードやネットワークカード)を使用したりラッシュ時を避けるなどの工夫が必要。

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