イギリスの教育システム
イギリスで小学校が始まるのは、4歳になった秋からです。翌年から義務教育となり、Year1,Year2 と学年が上がっていきます。私立小学校はプレップ(Preparatory school)、公立小学校はジュニアまたはプライマリースクールと呼ばれます。小学校~GCSEコースが始まる14歳までは、2~3年ごとに学習要領をまとめたキーステージ(Key Stage1~3)にそって学習が進められます。学習内容はナショナルカリキュラムによって決められています。
中学校が始まるのは公立では11歳、私立では11歳または13歳で、中高一貫教育です。
14歳(Year10)で最初の全国統一テストGCSEのための2年間コースが始まります。GCSEは数学、理科、英語の必修教科以外は選択性となっており、全部で9~11教科を選択します。理科はダブルサイエンスかトリプルサイエンスのどちらかを選びます。ダブルの場合は浅く3教科(生物、物理、化学)を勉強し、トリプルは深く3教科を学びます。理系に進みたい場合はトリプルの選択が必須です。必修科目に入っていない地理や歴史や語学(フランス語、ドイツ語、スペイン語など)は、この時点で選択しなかった場合そこで勉強は終了となりますので、後に大学進学に必要でも取り直しできませんので注意が必要です。
16歳(Year11)の終わりにGCSEの全教科の試験があり、結果がグレード(A*~G、Uは不合格)で出されます。この結果は大学進学にも影響してきます。義務教育はここで終了で、 大学進学を希望する者は 6thフォームとよばれる2年間コース(日本の高校にあたる)に進みます。GCSEの結果がC以上5つないと6thフォームへは進学できません(学校によってB以上5つなど条件が決まっています)
大学進学を希望しない者のために、地元のカレッジでは様々な職業訓練コースが用意されていて、2~3年間でNVQ(全国職業資格)が取れるようになっています。
6thフォームは2年間で、最初の年はAS、2年目はA2とよばれます。Aレベルでは大学での専攻も視野に入れ、3-4教科のみを深く勉強します。1年目の終わりにASの試験がある科目もありますが、最近では2年目の終わりのテストのみと変わってきています。(2017年よりASは廃止)
近年、Aレベルと同等の大学進学資格であるIB(インターナショナルバカロレア)コースを取り入れる学校も増え、AレベルかIBを選択できる学校もあります。
IBは各教科がグループ別(外国語、文学、数学、芸術、サイエンス、人文)に振り分けられており、その中から高レベルと標準レベルの科目を3教科づつ、合計6教科を選択します。
Aレベルの世界的知名度が今ひとつなので、アメリカや日本の大学に進学したい場合や留学生にはIBが人気があります。また早い段階から3教科のみに絞ってしまうAレベルの弊害も近年問題となっており、より幅広い知識を身につけ、リサーチやプレゼンテーション、エッセイ能力を養うIBの方を推奨している学校もあります。
AレベルでもIBでも、2年目の終わりに全国統一試験を受け、Aレベルの場合は結果がグレード(A~Eまでが合格)で、IBの場合はポイントで(45点満点)出されます。レベルの高い大学ほど高いグレードやポイントが求められます。
大学への出願は、6thフォーム2年目の秋~冬となります。UCAS(The Universities and colleges Admissions Service)とよばれる機関へオンラインで願書を送ります。出願は5校まで。GCSEやAS試験、最終予想グレード、面接に基づき、大学側から入学条件(AレベルやIBでxxxの成績を取ること)を提示したオファーが来ると仮合格です。最終試験で入学条件となるグレードやポイントが取れなかった場合は合格は取り消しとなりますので、最終合格は8月の試験結果が出てからとなります。