マンチェスターでのテロと総選挙
5月22日にマンチェスターで起こったテロは、アリアナグランデのコンサートに来場していた若者が多数犠牲になったということもあり、世界中が驚きと悲しみに包まれました。
救いだったのは、人々の助け合い精神が発揮されたこと。タクシードライバーは帰宅できなくなった人へ無料送迎や病院への送迎を買って出たり、犠牲者の家族への募金も世界中から集まっています。
エリザベス女王は負傷者が入院している病院を訪れ、ドクターやナースだけでなく、裏方のスタッフ一人一人を励まされました。
またアリアナグランデの2回目のコンサートには多数の有名アーチストが参加し、“One Love Manchester” と題したチャリティーコンサートとなりました。これはBBCで生中継され、今年一番の視聴率となりました。
マンチェスターのテロから半月後の6月3日、今度はロンドンの中心地に近いバラマーケットで起きたテロ。ワゴン車が歩行者をはねた後、バラマーケットで飲食していた人を次々ナイフで襲って殺害。犯人3名は8分以内に駆け付けた警官に射殺されました。
8分以内という超特急で駆け付けられたのも、警官が厳重にパトロールしていた証拠でしょう。
3月から3か月の間に3件のテロが起きたという事で、警官の数を減らした政府に不信感を抱いた人達もいて、6月8日に行われた総選挙に少なからず影響を与えたようです。
メイ首相が総選挙の前倒しを発表した4月の時点では保守党の楽勝が予想されたのに、結果はなんと過半数割れ。どの党も過半数を獲得できない“Hung Parliament” (この言葉がニュースで飛び交いました)状態に。
怒ったメイ首相は、保守党至上“最悪のマニフェスト”と呼ばれた”Dimentia Tax”(高齢者の在宅介護に負担増を強いる)の責任者2人をクビに。
人気薄だった労働党は、“小学生の給食無料”“大学の学費を無料に戻す”というマニフェストを掲げて予想以上の健闘となりました(個人的にはこっちの方が嬉しい^^;)
私は耳にしたことがなかったのですが、選挙前にキャプテンスカというバンドが歌う“Liar Liar GE2017”という歌がリリースされ、大ヒットしているそう。NHS、子供の貧困、福祉予算削減、貧富の差、などイギリスが現在抱える多くの問題が盛り込まれていて、それがメイ首相の映像とともに映し出されて、なかなかおもしろいです。
選挙の結果を受けてメイ首相の辞任を求める声は野党だけでなく党内からも出始めており、では後任に誰がふさわしいかというと、なんと外相のボリスジョンソン氏が1位に!
トランプとジョンソンが手を組んだら、世も末やわ・・・。
選挙結果を受け、英ポンドが急落。
連立政権樹立まで、余談を許さない状況となっております。
混沌とした政治はさておき、イギリスは1年でベストシーズンとあって、イベントも満載です。
6月17日はエリザベス女王の公式誕生日でパレード(Trooping the Colour)が行われます。
6月20日~24日はロイヤルアスコットという競馬レース。ロイヤルファミリーを始め、着飾った上流階級の方達が多数お出ましです。
7月3日~2週間はテニスのウインブルドン選手権。今年もチケットが手に入らなかった私・・(T T)。年々、難しくなるな~。
***今月のホームステイ
イギリスやヨーロッパの学校では5月末にハーフタームという1~2週間のお休みがあるのですが、そのお休みを利用して、英語の勉強と観光を兼ねてスイスの学校に留学中の高校生がホームステイに来てくれました。
マンチェスターのテロの後だったので、ロンドン観光はもちろんのこと外出は全てホストファミリーと一緒にするという予定でしたが、残念なことに滞在中にロンドンでもテロが起こってしまい、ロンドン観光は中止にせざるをえませんでした。
それでもテロが起こる前に少しロンドンを観光することが出来、少しほとぼりの覚めた最終日にも弊社スタッフ付き添いで大英博物館へ行きました。車で行けるハリーポッタースタジオ見学は予定通り行いました。
テロのせいで中途半端な観光になってしまったけど、楽しんでくれたなら嬉しいです。ホストマザーのイザベルさんのお料理がとても美味しかったという感想を頂きました。
***毎年ホームステイに来て下さるTomokoさんが、今年も元気に来英されました。
ホストファミリーのアンさんやエイドリアンさん宅には何度も滞在されているので、旧知の間柄。
今回はアンさん宅に滞在されましたが、サプライズでエイドリアンさんを訪問したところ、顔を見た途端、“Tomoko-!! なんでうちに泊まらないのー!!”と言われてしまいました。
今回はアンさんと、ピークディストリクトのアンドリューさんのお宅に宿泊予定。
“ピークディストリクトでホームステイをするんだよ~”と言ったTomokoさんに、“You are exquisitive” とエイドリアンさん。
“ exquisitive” の意味を一生懸命説明してくれたのですが、”adventurous” と似たような意味だそうです。辞書によると、eager to discover or learn, curious だとか。
要するに、“好奇心旺盛”ということなのでしょうね。
60代後半になってもますますお元気なTomokoさんです。
***2月~5月まで滞在されていたお客様が感想を寄せて下さいました。
今回の3か月ちょっとは、色々な経験をすることが目的だったので、3家庭に滞在し、ホームステイでのレッスン、語学学校2校、たくさんの観光が出来たので、語学習得としてはまだまだですが、濃密で充実した日々が送れたと思っています。
何よりたくさんの人に会えたことが良かったです。イギリス人は皆さん親切で優しく、食事も噂とは違いとても美味しかったです。私のおそらく人生最初で最後の留学手配を由美子さんにお願い出来て良かったです!本当にありがとうございました。
語学学校の感想を頂いたのをHPにアップしましたので、良かったらご覧くださいね。
***サマースクール
ロンドンでのテロの後、各サマースクールでは安全対策について検討しました。ほとんどの学校は郊外や田舎にあるので学校にいる限りは問題ないのですが、ロンドンへの遠足をどうするか、という事が焦点となりました。
ロンドンへの遠足を全面的に取りやめたのは、セントエドモンドです。立地的に近いので数回予定しており、特に夜のシアタートリップが3週間に1回行われるのですが、残念ながら今年は全てキャンセルとなりました。新しい行先は検討中ということです。
またセントビーズやホイットギフトなど、ロンドン観光は予定通り行われるものの強制ではなく、行きたくない場合は学校でアクティビティを用意するという学校も多いようです。
シャーボーンはロンドン観光は13歳以上の希望者のみとなります。トーントンは13歳以上で6週間滞在者のみとなります。
その他のサマースクールの対応についてご心配な方はご連絡下さい。
**イギリス正規留学
最終学年生はやっと試験が終わり、これから7月初めの卒業まではアクティビティやスポーツ、卒業パーティーが行われます。
保護者の方達も日本から来英され、セレモニーに出席されたり、次の学校で開かれるお茶会に出席されたりします。
学校が社交の場となり、1年で最も華やぐ時ですね。
皆様も、イギリス正規留学に挑戦してみませんか?
サマースクールからそのまま1年留学することも可能。
お問合せ&資料請求は、このメールにご返信頂くか、info@robinedu.comまで。
***英語一口メモ
今月は選挙があったので、ギルが選挙に関連した単語を考えてくれました。
Election 選挙
To elect 選ぶ
General election 総選挙
Local election 地方選
Vote 投票
Voters 投票者
To vote 投票する
A postal vote 郵送で投票する
To culminate 終了する
Results 結果
To tally 集計する
政治に関連する単語は難しく、新聞の見出しに至っては何を言ってるのか理解するのがすごく難しいのですが、こんな感じで見出しが並んでおります。
Boris set to launch bid to be PM as May clings on
It’s go go for team BoJo…but is Gove the backstabber behind him?
Voters: majority want May to resign now…and look who they want instead
**編集後記
ついに息子(日本の高校3年生)の最終試験が始まりました。
この試験結果によって大学の合否が決まります。
最後までいわゆる日本の受験生のような勉強はしなかった息子ですが、イギリスには塾が無いので、家庭教師について、彼なりに頑張ったと思いたい。
彼が選択している教科は、地理、英語(英文学)、数学、です。この3教科のみをやれば良いのですが、試験はモジュールごとに1教科につき2~3回、毎日ではなく週1~2回なので、ダラダラダラダラと1か月近く続きます。
6月初めから始まって、6月末で終わり。
試験がすめば、長い夏休み。卒業旅行に友人達とクロアチアへ行く予定にしています。
結果発表は8月17日。
この日が近づくにつれ、親子とも緊張で卒倒しそうになっていることでしょう。
とりあえず、ダメなら浪人する前に方法はあるので(ブログでその方法について書いています)、発表までにリサーチしなくては。
夏が無事に過ぎてほしい・・・。